みなさんこんにちは。『まちまち』です。
理学療法士のまーくんと、作業療法士のちーちゃんの2人で『まちまち』として、このブログを運営しています。
このブログでは、”小さな習慣を見直すことで未来の自分をより良く変える”ことを目的に、記事を更新して情報を発信しています。
突然ですが、体幹ってご存知ですか?
それくらい知っているよ!お腹のことでしょ?
体幹トレーニングとかあるし!
間違ってはないね!でも半分正解って感じ。
ものすごく簡単にいうと、手足や頭を除いた胴体のことだよ!
体幹とは四肢(腕や脚)と頭を除いた胴体の部分を指します。
この胴体の部分の中でお腹には腹腔と言う空洞があります。
この腹腔は筋肉で囲われていて、その筋肉たちがしっかりと支えてくれているから、安定した姿勢を保ってくれているというわけです。
この記事を読んでいただくことで、普段何気なく耳にする「体幹」と言うものが、具体的には何を言っているのかが分かるようになります。
体幹をしっかり理解して、今後の生活やトレーニングにこの知識を活かしましょう。
またこの記事で紹介しているそれぞれの体幹の筋肉の鍛え方も、記事内にて紹介しています。
興味がありましたらご覧になってみてください。一緒に体幹を鍛えてみませんか?
それでは早速、体幹について解説していきます。
体幹の筋肉の役割
体幹がとても重要っていうことは、なんとなく聞いたことがあるかも。
何が重要かまではわからないんだけど…。
ひと口に体幹と言っても胸、お腹、背中、腰などと幅広いものです。
そして、体幹は姿勢を保つことだけでなく、動作を行う全てにおいて深く関わってきます。
体幹は身体の中心にあるものだから、
手先でも足先でも動かすときに体幹自体にも大切な役割があるんだよ。
そんな重要な体幹の筋肉が、どう安定に関与しているのかをここではお話ししていこうと思います。
直立を保つために必要な体幹の筋肉
筋肉は自分の意思でコントロールして力を発揮すること以外に、意識をせずとも自動的に動きを制御したり、姿勢を保ったりしてくれています。
この、自動的な制御が姿勢を安定して保つ上で必要な要素となってきます。
本来、筋肉は運動を生じさせる時にメインとして活動する主動筋と、主動筋とは正反対の活動をする役割があって動きの安定を保ってくれる拮抗筋があります。
これは動きが逆になると、それぞれの筋肉の役割も逆になります。
この図で言うと、肘を伸ばすときは手動筋と拮抗筋は逆になると言うことです。
体幹においても身体を動かす主動筋として働くだけではなく、じっとして姿勢を保つ際にも重力に抗っている拮抗筋としての作用があります。
これらは脊椎(背骨)の安定にとても重要な役割を持っています。
このような安定を自動制御していてくれるような働きが体幹になければ、脊椎は直立を保っていられなくなってしまいます。
そうならないように、体幹の浅い部分にはグローバル筋(いわゆるアウターマッスル)と、深い部分にあるコア筋(いわゆるインナーマッスル)が直立を保つために働いてくれています。
幹が安定していないと枝は安定しない
脊椎が安定して姿勢を保っていてくれないと、腕や脚が動くたびに不安定になってしまいます。
体幹という幹が十分に安定してどっしりと構えていてくれないと、そこから伸びる枝(つまり腕や脚、頭)は力を十分に発揮できない上に、動くたびにグラグラしてしまうということです。
確かに!幹がしっかりしていない木は折れたり、
曲がったりしてしまうかもしれないよね!
腕や足の筋肉が活動して収縮すると、その力が伝わってきて脊椎を支えている組織に負荷がかかるような動きが生じます。
例えば、立ったまま脚を曲げて持ち上げてみます(下図)。
腸腰筋が働いて、股関節を曲げて持ち上げてくれますが、同時に脊椎を前方へ引っ張ってしまいます。
ここで腹筋が働くことで、骨盤や脊柱が安定してどっしりと構えていられるので、安定して足を持ち上げることができると言うわけです。
このように、腕や脚を使用するにあたって、体幹は安定している必要があります。
ここでいう体幹とはまさにお腹だけではなく、肋骨や背中の周りの筋肉も同じように安定に関与しています。
体幹の支えが安定していると、
足を持ち上げる力に引っ張られて負けないと言うことだね!
ただし、動きを繰り返し続けたり、激しい動きによって、脊椎の安定に作用している筋肉などが疲れると、脊椎に支持に問題が生じることがあります。
また、股関節や肩関節、首などの筋肉の柔軟性や筋力自体のバランスが崩れると、脊椎に非対称な力が加わることになります。
こうなってしまっては、姿勢も非対称のものになりかねません。
同じ方向ばかりから引っ張られ続けると、
背骨にかかる負担も姿勢も偏りかねないということだね!
体幹にあるグローバル筋もコア筋も、これらの問題を防ぐために脊椎の安定性をもたらす重要な役割を果たしています。
脊柱を張り網の機能で支えるグローバル筋
脊椎の多くの分節を跨いで通っているグローバル筋は、脊柱を支える大きな張り網の役割を果たしています。
重心が動いてブレたり偏ったりする体幹にかかってくる外力に対応するためです。
体幹のグローバル筋は、脊椎に直接くっつくことはほとんどありません。
そのため、張り網のような構造で脊椎を押し縮めるように作用することで脊椎の個々の分節(背骨一つ一つの各関節)を安定(下図①)させています。
個々の分節が不安定(下図②)になると、この分節に関っている他の組織が負担を背負うことになります。
安定を図るはずのグローバル筋の張り網構造が、逆に脊柱に苦しい状態をもたらしてしまうことになりかねません。
脊椎1つ1つが整っていると、より張り網も均等に綺麗に張れるんだね!
縁の下の力持ちなコア筋
一方で、脊椎の分節に直接付着しているのがコア筋です。
このコア筋は、運動する方向には関係なく働きます。
個々の分節に動きの上での安定性(下図③)をもたらしてくれています。
加えて、運動の限界点で動かない組織に負担がかかりすぎないように、各分節を安定した位置に保っている働きがあります。
コア筋が縁の下で頑張っていてくれるから、
グローバル筋は大きな負担を強いられないで済むんだよ!
姿勢を保つ筋肉は持久力に優れている
これまでに、筋肉は関節の動きをもたらすものだけでなく、姿勢を保っていたり支えてくれている作用のものもあると話をしました。
筋肉にもそれぞれに種類があって、それぞれに役割があります。
筋肉の種類を知るだけでも、普段の姿勢を筋肉の観点からでもイメージしやすくなるのではないでしょうか。
どこの筋肉が、だいたいどんな役割かを知るだけで、
自分の身体を使うときのイメージが掴めるようになるよ!
そもそも筋線維には大きく2種類ある
筋肉はそもそも、筋線維という線維が束になって、その束が密集してできています。
この筋線維も次の2種類に分けられます。
typeⅠ線維は主に姿勢を保っていてくれる筋肉に多いです。ただし、素早く収縮して運動を起こしたり、強い力を発揮することは苦手です。
対して、typeⅡ線維は関節を素早く、かつ強く動かすことを得意としています。そのかわり、疲れやすくて収縮し続けることが苦手です。
この図で言うと、肘を曲げ伸ばしすることは素早くできるけどすぐ疲れる。
対して、背中やお腹は常に姿勢を支えるために力を使っているけど、素早く動けない。
といった感じだね!
そういえば、腕立て伏せなんかした時なんかは、
凄くしんどいし、全然腕では支えられないよ!
よく例えで言われる、魚でイメージするととてもわかりやすいです。
typeⅠ線維(赤筋)はマグロ:長距離を泳ぎ続けることができる。
typeⅡ線維(白筋)はヒラメ:瞬発的な素早い動きができる。
マグロは常に泳ぎ続けている魚だって言うもんね!
そうか!疲れにくい筋肉なのか!
マグロは赤身の魚、ヒラメは白身の魚と考えると、
より覚えやすいよね!
姿勢を保つには持久力が必要
人においての筋線維は、魚とは違って一つの筋肉に両方の筋線維が混ざっています。
そして、その比率は筋肉によってそれぞれ異なります。
人では姿勢を保ち続ける筋肉にはtypeⅠ線維が多いです。
背中の筋肉なんかでは特に、typeⅠ線維の筋肉が占める割合が大きいということになります。
これはつまり、姿勢の安定に関わってくる筋肉とその線維は、持久性に優れている線維であるということになります。
支えてくれる筋肉がすぐ疲れると、姿勢なんて保てないもんね!
腹筋群の安定性への関わり
これまでは筋肉の種類や大まかな役割について解説して来ました。
ここからは具体的な筋肉について説明していきます。
まずは腹筋についてです。みなさんも腹筋が弱いと身体が安定しないって言われると、なんとなくイメージがしやすいのではないでしょうか。
なんとなく、腹筋が重要ってことは知っているよ!
いわゆる腹筋はこの図の4つがあって、
これらをまとめて腹筋群と言ったりするよ!
腹筋群のグローバル筋とその役割
姿勢の安定において、グローバル筋とコア筋が重要な役割を果たしていることは前述した通りです。
ここからは腹筋のグローバル筋とコア筋について説明していきます。
腹筋は4つに分けられて、これらをまとめて腹筋群と言います。
腹筋群のグローバル筋には腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋があります。
多くの分節にまたがって存在する大きな筋肉です。
このグローバル筋は、姿勢を保つ上で重心がぶれることに対して、脊椎を安定させる張り網としての重要な役割があります。
外腹斜筋や内腹斜筋について詳しくは以下の記事にて紹介しています。
また、外腹斜筋や内腹斜筋の鍛え方は以下の記事にて紹介しています。
鍛えるとは言っても、辛いトレーニングではなく、日常生活に合わせて実践できる簡単なものとして紹介しています。
興味がありましたら、ぜひ一度読んでいただいて、一緒に鍛えてみましょう。
腹筋群のコア筋とその役割
腹筋群のコア筋、いわゆるインナーマッスルは腹横筋があります。
それに加えて、背中側にある多裂筋も腹横筋と合わせて急激な手足の運動によって活動的になります。
急に手足が動くことで姿勢が崩れると、これらの筋肉が活動的になり姿勢の安定性を高めてくれます。
腹圧(※)を高めて、コルセットのように身体の安定を保ってくれています。
腹圧に関わる筋肉としては、他にも横隔膜と骨盤底筋群があります。
※腹圧とは腹腔と呼ばれる、腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋群に囲まれて作られているお腹の空洞(この中に内臓があります)の内圧のことです。
腹圧を高められると、腰痛予防や排便の促進などにも効果があるよ!
陰の立役者 腹横筋
腹横筋は腹筋群の中でも、一番深いところにあります。
姿勢がぶれたり、傾いた時に独自で対応してくれています。
腹横筋は背中側にまで回り込んで付着していて、お腹だけではなく腰周りを支える張力を生み出しています。
この筋肉だけが他の腹筋群と違って、身体が前に倒れようと後ろに倒れようと作用します。
陰で支えてくれているから、姿勢が安定しているのですね。
腹横筋は、手足がどのような方向に運動しても、手足の運動が起こる直前に反応して(フィードフォワード反応と言います)対応してくれています。
手や足を動かすほんの直前に、
グッと堪えていてくれるんだよ!
これだと常に気張っていなくても、
必要な時に支えになってくれるんだ!
仕事のできる筋肉だね!笑
重ねてになりますが、腹横筋はとても重要です。腹横筋が働いてくれるだけで、姿勢はグンと安定性を増します。
そんな腹横筋の使い方について以下の記事にて紹介しています。
あえて言います。鍛えるのではなくて使うのです。
こうやって使うことにさえなれれば、意識をすることもなく腹筋たちの恩恵を受けることができます。
ぜひ、最初は意識をして、積極的に使っていってあげてください。
腹直筋と腹直筋鞘
腹直筋は腱画と呼ばれる硬い組織で仕切られています。
これによって腹筋は6つ~8つに割れているように見えています。
腹直筋は胸の高さから下腹部(股間あたり)の高さまで通っています。
この筋肉は一枚の板のようになっているわけではなく、腱画ごとに分けられて収縮する機能を持っています。
一番下の腱画の場所には、弓状線と呼ばれる腹直筋が通り抜けるポケットが開いています。
腹直筋は腹直筋鞘と呼ばれる腱膜によって包まれています。
弓状線より上の部分では、この腹直筋鞘は前葉と後葉があります。
しかし、弓状線より下では腹直筋症鞘は前葉のみになっています。
つまり、下の方では外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋のそれぞれの腱膜がすべて前面に回り込んでいて、後ろの方は硬い腱膜に包まれていないことになります。
こういった構造上の関係もあって、下腹部の筋肉自体の収縮がとても重要で、姿勢の安定性に強く関わってくるということになります。
難しい言葉ばっかり出てきたよ!
つまりどう言うこと?
腹直筋のような大きな筋肉は、各ブロックごとに分けないと力が発揮しづらい。
特に下腹部は、他の硬い組織で包まれていないから、腹直筋の筋肉自体に強く収縮する力を必要とする。と言った感じかな!
背部の筋肉の安定性への関わり
お腹側の筋肉がこれほどまでに重要な役割を持っていることはお分かりいただけましたか。
では、ここからは背中側の筋肉が姿勢にどう関わってくるのかを説明していきます。
お腹だけでもあれだけあったのだから、
背中となるともっとたくさんあって、覚えられないよ!
大丈夫!要点だけまとめるから、覚える筋肉はザッと2つだけだよ!
2つだけ!?
それなら大丈夫かも!
特大な張り網 脊柱起立筋
背中側の代表的なグローバル筋が脊柱起立筋です。
脊柱起立筋とは棘筋、最長筋、腸肋筋をまとめた総称です。
全てまとめると、頭からお尻まで伸びて通っています。
それだけ長く、いくつもの関節をまたいでいる筋肉であるということです。
姿勢の重心がブレたり傾いたりした際に、体幹を制御するという点では、他のグローバル筋と同じです。
背中側の張り網機能としての役割があります。
2つじゃないじゃんか!嘘つき!!
脊柱起立筋でまとめて覚えていてもらって大丈夫だよ…!
脊椎の節々を制御している多裂筋
背中側のコア筋としては、脊柱起立筋と並行して通っている多裂筋があります。
typeⅠ線維が密に分布していて、安定筋としての役割が大きいです。
安定筋とは、運動を行うときに動いている関節や骨以外のところを固定してくれている筋肉のことです。
多裂筋は脊椎の分節ごとに付着していて、この脊椎の分節ごとの運動を制御しています。
この作用によって、脊椎をより強固にすることができるのです。
多裂筋って、さっき腹圧のところで出てきたやつだね!
そうだね!
やはり、コア(核)を成しているだけあって、腹横筋などと同様に縁の下の力持ちなんだよ!
まとめ
今回は体幹の筋肉について、姿勢や動作にどのように関わってくるかを解説してきました。
姿勢を保つ上でとても重要ではあるけど、全ての動作において支えの基本となっていると説明しました。
体幹の筋肉はグローバル筋とコア筋の大きく2つに分けられます。
グローバル筋(アウターマッスル):
【お腹】腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋【背中】脊柱起立筋
コア筋(インナーマッスル):
【お腹】腹横筋【背中】多裂筋
また、筋線維もtypeⅠとtypeⅡの2つに分けられます。
typeⅠ線維(マグロ):
姿勢を保っていてくれる筋肉に多い。
ただし、素早く収縮して運動を起こしたり、強い力を発揮することは苦手である。
typeⅡ線維(ヒラメ):
関節を素早く、かつ強く動かすことを得意としている。
そのかわり、疲れやすくて収縮し続けることが苦手である。
姿勢を保つ筋肉はtypeⅠ線維の割合が多く、姿勢を保つことに長けています。
体幹のグローバル筋は張り網の機能で姿勢を保つときの安定に作用しています。
一方、コア筋は各分節ごとに固定してくれていて、縁の下の力持ちとして作用してくれています。
これらの作用や役割を知っているだけでも、普段の自分の生活や運動の際などでも自身で予防やケアができることでしょう。
この記事の内容が何か一つでもあなたの生活に活かせられますと幸いです。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
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