みなさんこんにちは。『まちまち』です。
理学療法士のまーくんと、作業療法士のちーちゃんの2人で『まちまち』として、このブログを運営しています。
このブログでは、”小さな習慣を見直すことで未来の自分をより良く変える”ことを目的に、記事を更新して情報を発信しています。
今回は立っている姿勢についてお話をしていくよ!
私は姿勢が悪いってよく言われるけど、
正直言って悪いから何がいけないのかわからないんだよね…
姿勢が悪いままでいると、自分でも気がつかないうちに
身体のあちこちに負担がかかっているんだよ!
突然ですが、みなさんは自分の立ち姿勢を気にしたことはありますか?
私たちは日々、怪我や病気をした患者さんと向き合うことが多いです。
その中でも高齢で背中が丸くなってしまって仰向けでは寝られない方や、日頃の姿勢の悪さが祟って腕が肩より上に挙がらない方などたくさんの方を見てきました。
中には骨や関節が変形してしまって、元の通りに動かせない方もいるよ。
最近ではスマホの普及に伴ってスマホっ首に悩まされている人も多いのではないでしょうか?
言い切ります。今気付いたうちにその姿勢を正しておかないと、後悔してからでは遅くなるかもしれませんよ。
この記事を読んで姿勢を正しくすれば、肩こりや腰痛が気になりにくくなったり、ぽっこりお腹が解消して履けなかったズボンが履けたりすることでしょう!
理想的な立位姿勢
最初に、理想的な立位姿勢について説明しましょう。
何が良い姿勢なのかを知っておくことも、悪い姿勢に気づくきっかけになります。
良い姿勢を知っていると、姿勢が悪くなった時にも気付きやすいってことだね!
気をつけるべきは重心線
姿勢に気をつける上で、意識をしてもらいたいことが重心線です。
私たちは常に重力の影響を受けながら姿勢を保っています。
重力の影響を受けている限り、その物体に作用する重力の合点を重心と言います。
そして、この重心を通る地面に垂直な線を重心線と言います。
人は重力がある限り、この重力に逆らって姿勢を保つ必要があります。
つまり、この重心線を意識して、以下に示す位置を通っているイメージを持つことがとても重要になります。
横向き
まずは、身体を横から見た時の重心線とそこを通る身体の部位について説明します。
理想は重心線が通る位置で図の通りです。
簡単に言うと頭、肩、腰、膝、足が重力に対して1直線に縦に並んでいる状態が理想と言えます。
脊柱(いわゆる背骨)は本来、緩やかに湾曲してS字になっています。
首は前に、胸の高さで後ろに、腰の高さでまた前にウネウネとS字をえがいています。
このウネウネが強くも弱くもない上で、上記した部位が縦1直線に並びます。
ウネウネの程度は自身でもある程度把握できます。
【簡単チェック】
頭、背中、お尻、かかとが壁に触れるように、立ったまま壁に寄りかかります。
この時に、腰は壁に触れずに、かつ手のひらが壁と腰の間にちょうど収まる程度が理想です。
隙間に余裕がありすぎたり、手が入らなかったりすると、以下に示す悪い姿勢になっているかも しれません。
前向き
次に、身体を前(図は背中側からみています)から見た時の重心線と、そこを通る身体の部位について説明します。
すごく簡単に言うと、左右に傾きがなく重心線が身体の中心を通っている状態が理想です。
頭も背骨もお尻の割れ目も、その中心を通っているイメージです。
この時、足の幅はおよそ肩幅に開いていて、その間の中心を重心線が通ります。
肩も骨盤も左右に傾きがない状態が理想です。
悪い立位姿勢の例
ここでは悪い立位姿勢について例を挙げて解説していきます。
あくまで例として挙げますが、当てはまる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
私もどれかに当てはまっちゃうのかなぁ?
さっきの簡単チェックと合わせて確認してみると、わかりやすいよ!
猫背
簡単チェックでは腰と壁の間に隙間がほとんど無く、人によっては手が入らないかもしれません。
この姿勢では筋肉によって姿勢を保とうとすることがあまり見られません。
靭帯や関節包といった、筋肉よりも硬く固定性のある組織に頼っている傾向にあります。
簡単に言うと、筋肉で支えることはしんどいので、靭帯などの硬い組織で突っ張ったりして姿勢を保っているということです。
骨盤は後方へ傾いて腰の高さの背骨は湾曲が弱まって平坦に、頭は前へ突き出て顎は上がってしまいます。
重力の影響や前屈みな姿勢、さらにはデスクやモニターなどの配置の位置が悪く、こういった悪い姿勢になることが考えられます。
骨盤が後方へ傾斜することでお腹の筋肉の働きを必要とせず、徐々にお腹やモモの前の筋肉が弱くなりやすいです。下っ腹がぽっこりしやすいことはこの姿勢の特徴です。
顎が上がり、頭が前方へ突き出るため、首の後ろや肩の筋肉が凝り固まります。
反り腰
簡単チェックでは腰と壁の間の隙間が広く、余裕を持って手が通るでしょう。
この姿勢では主に腰の筋肉や股関節の前面の筋肉が強く働く傾向にあります。
対して、お腹の筋肉はほとんど働くことはありません。
立ちっぱなしになった時に、腰が辛くなってくることがしばしばあると思います。
骨盤が前方へ傾斜するため、腰の高さの背骨の湾曲が強まり、胸の高さの背骨は湾曲が弱まって平坦になります。
お尻の筋肉やお腹の筋肉は姿勢を保つために働くことが少ないので、徐々に弱化していきます。
この姿勢の場合もお腹の筋肉は働きにくいのですが、下っ腹のみならずお腹全体にほとんど働かないことが特徴です。
太っていてお腹が出ている方は腰が反っていることが多く見受けられます。
スウェイバック
簡単チェックでは反り腰と同様に、腰と壁の隙間に手が余裕を持って入ります。
腰の高さの背骨も胸の高さの背骨もどちらとも湾曲が強くなっています。
やはりお腹の筋肉はほとんど働くことはなく、腰の筋肉が強く働いています。
また、股関節の前面の筋肉も強く働いたり、硬く縮こまっていることが多いです。
顎が上がり、頭は前方へ突き出ているため、首の後ろや肩の筋肉が凝り固まります。
姿勢を意識して正そうとしても、お腹より腰が優位に働くため、より顕著に腰の負担が増します。
デスクワーク時や最近ではスマホの使用中の悪い姿勢によって胸から上の姿勢が猫背と同様になってしまうことも考えられます。
また、反り腰同様に肥満の方がお腹よりも腰を強く働かせることでこのような姿勢になる場合もあります。
スマホっ首(ストレートネック)になることも
最近よく聞くスマホっ首とは一体なんなのでしょう。
スマホっ首はストレートネックとも言います。
スマホを使うことがいけないのかと言うと、そうではありません。
スマホだけに限らず、本や机上で書き物をしている時などに姿勢が悪くなっていると起こり得るのです。
ストレートネックとは
上記の猫背の姿勢で、頭が前方へ突き出て顎が上がると説明しました。
突き出た頭の重みによって首の骨の正常なカーブが失われてしまいます。
本来の首の骨たちは前方に弧を描く形でカーブを描いていますが、頭が前方へ突き出て、かつ顎が上がってしまう為にこの骨たちが真っ直ぐ並んでしまいます。
これがストレートネックです。
この状態では、頭の重さを支えるために、肩だけでなく首の後ろにも負担がかかり、首もこることになります。
このストレートネックを予防するスマホの見方がこちらです。
スマホ画面を目線から若干下の位置まで持ち上げます。
そうすることで目線が上がり、頭が前方へ突出することを抑えられます。
スマホも持っている腕がしんどかったら、反対の手を使って支えてあげるといいでしょう。
姿勢を正すと何が良いのか
これまでは悪い姿勢について解説をしてきました。
ではここからはこれらの姿勢を正すことでどのようなメリットがあるのかをお伝えします。
悪い姿勢による身体への悪影響を抑えられる
悪い姿勢による身体への影響とは侮れないものです。
普段、肩こりや腰痛、頭痛などを感じる方も多いと思います。
重力に晒されている身体を一定の位置に保っているためには、支えとなる力が必要になります。
しかし、大して力を必要とせず楽な姿勢でいたとしても、身体のどこかしらは負担になっているということです。
それが首であったり、肩であったり、腰であったり…。
ましてや、一部分に負担が集中していることだって考えられます。
正しい姿勢を意識するだけでこれらの悪影響を抑えられる事につながります。
すでに出ている痛みや、物理的に変形してしまっている骨や関節を完全に改善させることは難しいでしょう。
しかし、現状以上の悪化を防止したり、以前より悪影響を与えることはなくなるでしょう。
少なくとも、悪い姿勢の頃よりは肩こりも腰痛も起こりにくくなります。
良い姿勢を保つための筋力が備わってくる
悪い影響を予防するだけではありません。
姿勢を正すためには力を必要とします。身体を支える筋力が必要なのです。
良い姿勢、正しい姿勢を保つということは決して楽ではありません。
それについては以下もご参照ください。
重ねてになりますが、正しい姿勢を保つためには、保っていられるだけの力が必要になってきます。
悪い姿勢ではお腹の筋肉がほとんど働かないということを強くお伝えしました。
お腹の筋肉を使うことが正しい姿勢を保つ上でとても重要になってきます。
つまり裏を返せば、正しい姿勢を強く意識するだけでも、お腹の筋肉を中心に鍛えられるということになります。
正しい姿勢が習慣となって自然に保っていられる頃には、ぽっこりお腹は解消してお腹の筋肉も十分に鍛えられていることでしょう。
もちろん、最初は楽ではありませんが、続けていくことで力を使うことにも慣れて、いずれは正しい姿勢が楽な姿勢へと変わります。
楽な姿勢は正しい姿勢とは言えませんが、正しい姿勢はいずれ楽な姿勢になっていくのです。
これは、普段使用してこなかったお腹などの姿勢を保つ筋肉が強化されて、支えに強く貢献してくれているから楽であると感じるのです。
私もそうですが、姿勢が崩れていたり猫背になっていたりする方が違和感があって、自分で自然と直してしまいます。
そうなれば、導入部分で話したような、歳を取ってから不調に悩まされることも少なくなるでしょう。
自律神経のバランスが整う
猫背になって姿勢が悪くなると、気がつかないうちに胸が圧迫されて呼吸が乱れてしまいます。
呼吸が乱れて浅くなってしまうと、自律神経の交感神経が優位に働くことになります。
首と腰の周りには副交感神経が張りめぐらされているため、姿勢が悪くなると副交感神経に負担がかかります。副交感神経が疲れてくると、より交感神経が高まっていきます。
知識ゼロでも楽しく読める!自律神経のしくみ|荒木信夫
交感神経が優位に働く状況では、余計に身体が緊張してこりなどの不調に繋がります。
姿勢が悪いというだけで、これだけの悪循環を産んでしまうのです。
そのため、姿勢を正すことを意識するだけでも自律神経が整い、身体の不調も予防することができます。
自律神経については以下の記事をご参照ください。
まとめ
今回は立ち姿勢について解説をしてきました。
正しい立ち姿勢とは重心線が身体の頭、肩、腰、膝、足を縦1直線に通る状態を言います。
この正しい姿勢の状態から外れると、悪い姿勢となり、身体のいたる部分に悪影響を及ぼします。
今回は悪い姿勢として
猫背
- 反り腰
- スウェイバック
を紹介しました。
共通して言えることは、いずれの姿勢もお腹の筋肉の働きを必要としていない姿勢であるということです。
そこで、姿勢を正すことのメリットも紹介しました。
姿勢を正すメリット
- 悪い姿勢による悪影響を予防できる
- 正しい姿勢を保つための筋力がついてくる
- 自律神経のバランスが整う
極端に筋トレをしなくても、姿勢を正しくしてお腹の筋肉を働かさせることを意識するだけで、お腹を鍛えることができます。
また、お腹の力の入れ方については改めて記事にしたいと思っています。
立ちながらお腹に力を入れられるコツを掴んだら、待合で待っている間や電車通勤をしている間、どんな場面でも立っているだけでお腹を鍛えられるのです。
そうなれば、正しい姿勢が手に入り、引き締まったお腹までも手に入れられることになるでしょう。
以上になります。最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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