偏った姿勢が痛みを生む!?
全身を覆う人体最大の組織、筋膜とは?

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みなさんこんにちは。『まちまち』です。
理学療法士のまーくんと、作業療法士のちーちゃんの2人で『まちまち』として、このブログを運営しています。

このブログでは、”小さな習慣を見直すことで未来の自分をより良く変える”ことを目的に、記事を更新して情報を発信しています。

今回は筋膜についてお話ししていこうと思います。

ちーちゃん
ちーちゃん

筋膜リリースとかが流行っていたけど、あの筋膜?

まーくん
まーくん

そう!筋膜は姿勢を保つ上でも、とても重要な役割を持っているんだよ!

この記事を読んで意識するだけでも、不調を予防できるようになるよ!

この記事を読んでいただくことで、筋膜の重要性を理解していただけることでしょう。

「第2の骨格」と呼ばれる筋膜

最初に、筋膜とはどういった組織であり、役割があって私たちの身体に存在しているのかをご説明いたします。

ちーちゃん
ちーちゃん

「第2の骨格」とはまた大きく言っているんだね!

まーくん
まーくん

むしろ、それだけ大きくて重要な存在だということなんだよ!

筋膜とは

筋膜とは、全身の筋肉だけではなく、骨や心臓、さらには脳などの臓器も全て包み込んでいる膜のことです。

3次元的に全身をくまなく覆っていて、筋膜以外を取り除いても体の形が残ることから「第2の骨格」とも呼ばれています。
「第2の骨格」と呼ばれるほど、とても重要な存在ということです。

料理をされる方なら、鶏肉をイメージしてみて下さい。
鶏肉の皮を剥いだときに、皮と肉の間に薄皮が一緒に剥がれるのをみた事はないでしょうか。
あれが筋膜です。

筋肉を正しく動かすために必要不可欠

この筋膜が柔軟に動くことが、筋肉を正しく動かす上でとても重要となってきます。
筋肉の偏りだけではなく、じっとしている時の筋膜の配置のアンバランスさなども姿勢の悪さに直結してきます。

筋膜の異常とは簡単にいえば、筋膜自体が固まってしまい動きが悪くなることです。
筋膜はコラーゲン繊維エラスチン繊維、さらにはヒアルロン酸でできています。

このコラーゲン線維エラスチン線維が寄って固まる上に、水分が抜けて粘り気が増します。
これによって筋膜の滑りを助けているヒアルロン酸が寄って集まって水飴のようになることで筋膜の滑りも悪くなります。

筋膜がよじれたり、癒着したり(くっついたり)すると、皮膚や筋肉までも動きづらくなります。
そのため、良い姿勢や動作が取りづらくなり、腰痛や肩こりだけでなく、そこを通る血管やリンパや神経も影響を受け、痛みや痺れに繋がります

筋肉を正しく動かすには、筋肉を包み込んでいる筋膜を柔軟にしておくことがとても重要なのです。

伸び縮みして形を保つ

筋膜は、それ単体でも形を保てるようになっている上に、伸び縮みすることが可能です。
イメージをするならば、全身を覆っているボディースーツを着ているといった感じです。

一口に筋膜と言っても、それぞれ包んでいる層が異なってくるため、それぞれの筋膜がそれぞれの役割を持っています。

大きく分けて2層構造

筋膜は大きく分けて浅筋膜深筋膜に分けられます。

浅筋膜:皮膚、皮下組織と筋肉の間に位置する

深筋膜:筋肉のすぐ上に位置する 縦・横・斜めに走行する3層構造

引用元:corefit

さらに下には筋肉を包む筋外膜、筋線維束1つずつを包む筋周膜、筋線維1つ1つを包む筋内膜が存在します。これらはすべて筋膜です。

柔らかくもあり、硬くもある

筋膜は、コラーゲン繊維エラスチン繊維で出来ています。

引用元:Rehatora より

コラーゲン線維】:柔らかさは乏しいが、張力に対する抵抗感は強い
通常、波状に縮んだ形状をしている。外力が加わることでこの波状が直線になる事はあっても、線維自体が伸びる事はない。

エラスチン線維】:ゴムのように柔らかく、伸び縮みしやすい
線維自体がとても伸びやすい性質で、最大2.5倍の長さまで伸ばせる。

このことが、姿勢をコントロールする上でとても重要な要素となっています。

ちーちゃん
ちーちゃん

柔らかく伸び縮みするのに、しっかり抵抗感はあるってことね。

ネットワークを形成して近くの筋肉に力を伝達

各筋肉の間を隔てている筋間中隔というものがありますが、これも筋膜です。
そして、関節を越えて連なっている筋膜どうしを繋いでいる配列を筋膜配列といいます。

筋膜配列は支帯と呼ばれる組織によって繋がり、同期しています
また、筋肉の線維の一部は筋外膜と深筋膜でくっついています

これによって、筋肉の収縮はその上を覆っている筋膜にも伝わり、筋膜のネットワークを通じて近くの他の筋肉にも力が伝達されます。

筋膜とは皮下組織と筋肉の組織とをお互いに接続させてネットワークを形成しているものなのです。
外部から力が加わった時のその部分的な筋膜の緊張に対して、全身的に筋膜の配列や密度を調節して適応させて対処しています。

まーくん
まーくん

一部分が緊張しても、全身の筋膜が対処しているってことだね。

筋肉の動きを円滑にする

前述したように、筋肉を動かす上でとても重要な存在が筋膜です。
筋肉の位置や配置を正すだけではなくて、筋肉を動かす上でも必要なのです。

筋肉の滑りを良くする

全ての筋肉は重なり合っているお互いの上を自由に滑ることができます。
自由に滑ることで筋肉の動きを支えているのです。

ある筋肉が収縮する際に、筋膜や隣接する筋線維同士が引っかかると、スムーズに収縮することが出来ません

筋線維は、全てが同時に収縮するわけではありません。常に連結しながら収縮しています。
この筋線維の連続した動きは、滑りが良いからこそ出来るのです。

まーくん
まーくん

筋膜は筋肉の動きを良くする緩衝材といったところだね!

悪い姿勢などで偏ると滑りが悪くなる

引用元:若田接骨院

深筋膜層の間、深筋膜と筋外膜の間、筋内膜などの至る所に存在するのがヒアルロン酸です。
このヒアルロン酸が、筋肉の滑りに寄与しています。

しかし、同じ姿勢や同じ運動を繰り返しすぎると、ヒアルロン酸が集まって固まってしまいます
そうなると筋膜も粘り気が増し、滑りが悪くなります

つまり、悪い姿勢や偏った姿勢を続けると、筋膜も寄って固まり、元の正しい姿勢に戻りづらいと言うことです。

張力が姿勢を保つことに作用する

これまでは筋膜が身体の部位や筋肉に関与しているという話を中心にしてきました。
ではこれからは、実際に私たちの姿勢にどう関わってくるのかをお話ししていきます。

ちーちゃん
ちーちゃん

ちょっと細かくて難しいことばかり話されていたから、

実際にどう姿勢に関わってくるのだろうと思っていたのよ。

まーくん
まーくん

ここからは筋膜が姿勢にどのように関わるかを話していくよ。

張力が大きく影響する

姿勢を調整することには、筋膜の張力も大きく影響してきます。
じっとしている姿勢は筋膜配列筋膜の張力があって保たれています

筋膜配列とは、縦横斜めに走行する筋膜の、それぞれの方向に力を発揮するように連なる複数の筋膜をまとめた表現です。

関節をまたいで力を発揮している筋肉(2関節筋)によって張力をかけられていて、姿勢を維持することに関与しています。

まーくん
まーくん

2関節筋とはその名の通り、2つ以上の関節を跨いで通っている筋肉のことだよ!

筋膜のおかげで意識的な制御は不要

通常は、じっと立っているだけでは意識的な姿勢の制御は行われていません。
立っている姿勢の身体の保持に筋膜の張力が役立っています

姿勢がブレて重心が偏って身体が傾いていくと、筋膜の張力が加わる箇所の筋肉に刺激が入ります。
その刺激によって筋肉自体が不適切に収縮させられる反応が起こります。

悪い姿勢や悪い運動のパターンによって、ストレスがかかる箇所の筋膜が高密度となって固まり、痛みを生じます
この痛みを避けようとして姿勢を変えたり、動きのフォームを変えようとするのです。

ちーちゃん
ちーちゃん

そう言われれば、立っている時に力を使っている意識はないかも!

まーくん
まーくん

姿勢を保っているときに、わざわざ意識的な力を使わなくても

無意識のうちに筋膜が張って、姿勢を保ってくれているんだね!!

ネットワークを介してバランスを取る

これまで話したように、筋膜は支帯で繋がっていて、近くにある筋肉とネットワークを介しています。
それぞれが連なって配列を成して、役割を持っているのです。

痛みを避けるための姿勢を作る

筋膜の張力が高密度になって変性すると、この異常に対して神経が反応し、痛みとして脳へ信号を送って危険を知らせます。
身体はこの痛みに対して姿勢を変えるなどをして対処します。

ある筋肉の筋膜で張力に異変が起きると、筋膜のネットワーク全体での張力を保とうとします
張力を保つために同じ筋膜の配列に沿った別の筋膜で反対の張力を引き起こすのです。

Aの筋肉が引っ張ることで筋膜の張力が強まった場合、同じ配列のBの筋肉の筋膜で反対方向に引っ張るように誘導されて、張力のバランスを保ちます。
このような筋膜同士での張力の調整は多くの場合、痛みを生じさせます

これは、影響を受けた筋膜のエリア近くの関節周りの痛みを受信する組織が、過剰かつ異常に引っ張られてしまうからです。

まーくん
まーくん

痛みがある部位の筋膜だけに異常があるとは限らないということだね。

姿勢を見るなら筋膜の視点からも

身体は筋膜の釣り合いをとる手段として、反対側への動きや姿勢を生じさせます
片方から引っ張られてしまうのだから、もう片方から引っ張り返そう。そう言ったイメージです。

筋膜の不釣り合いを解消するのであればそれで構わないのかもしれません。
しかし、これをそのまま放置していては引っ張る方も引っ張られる方も負担になることは目に見えて明らかです。

それが痛みとなって反応しているのならなおさら、放置するわけにはいきません。

つまり、姿勢を気にする場合は筋肉の不釣り合いばかりを考えるのではなく、筋膜の視点からも気にしてみる必要があると言うことです。

また、痛みを伴う運動と、これまでしてきた怪我や病気を踏まえて姿勢を見ると言うことも重要です。
これは痛みを伴う場所が問題と断定するのではなく、今までの生活歴や病気や怪我によって生じた後遺症も考えて原因を探る必要があるということです。

さらには怪我などを庇ってできた偏った姿勢が問題といった場合もあります。

ちーちゃん
ちーちゃん

昔、右手を怪我したから固定して安静にしていた時、

かばってくれていた左の腕や腰が痛くなることがあったわ。

まーくん
まーくん

もしかしたら、右手を固定していて出来た姿勢の偏りや、

左手中心に使用する生活から筋膜が偏ったのかもしれないね。

最後に

筋膜とは「第2の骨格」と呼ばれ、筋肉だけでなく、骨や臓器なども含めて全身を覆っている3次元の膜のことです。
この筋膜が柔軟に動くことによって、筋肉も滑らかに動くようになります

逆に言うと、筋膜が硬くなったり動きが悪くなると、筋肉を含めて体の動きが制限されるようになります。
場合によっては筋膜が寄って固まることによって、痛みを生じることがあります

全身にネットワークを形成している筋膜は、隣接している筋肉にも力を伝達したり、影響を受けたりします。
このネットワークを介していることによって、筋膜に異常があると異常がある筋膜と同じ配列の筋膜で調整し、バランスを保とうとします

例えば、片側から引っ張られているため、反対から引っ張り返す。こういったイメージです。

身体の痛みを気にするにあたって、痛みを伴う姿勢や運動とこれまでの怪我や病気を総合的に考えて、現在の姿勢を見直します

この、姿勢を見直すときは筋肉だけではなく、筋膜を気にすることがとても重要ということです。
一方向に偏った姿勢を治し、気になる不調を予防していきましょう。

まーくん
まーくん

何より、偏らない正しい姿勢を意識することで、身体への負担は減らせられるものなんだよ。

ちーちゃん
ちーちゃん

私もよく猫背で姿勢が悪いって言われるから、気をつけないと…。

正しい姿勢については以下の記事も参考にしてみてください。

また、エクササイズの方法や、姿勢のポイントなどは改めて記事にしたいと思います。

以上になります。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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