みなさんこんにちは。『まちまち』です。
理学療法士のまーくんと、作業療法士のちーちゃんの2人で『まちまち』として、このブログを運営しています。
このブログでは、”小さな習慣を見直すことで未来の自分をより良く変える”ことを目的に、記事を更新して情報を発信しています。
今回は腹筋の使い方についてお話をしていきます。
使い方?鍛え方じゃなくて?
鍛え方となると腹筋運動が出てくると思うけど、
そうではなくて日常的に使うという話をしていくよ。
身体の中心にある体幹、その中でも大きな割合を占めている腹筋はとても重要な役割を持っています。
そんな腹筋が使える様になるだけで、肩こりや腰痛などの不調を予防したり、安定して身体を支えるように作用してくれます。
今回の腹筋は『使えるようになる』だけで、いつでもどこでも実践できるようになるものとしてご紹介します。
この記事の最後には生活での活かし方の例えもお伝えしています。ぜひ最後までお付き合いください。
まずは腹筋について知ろう
まずは、腹筋とはなんなのかについて話をしていきます。
その前に、過去の記事で腹筋を詳しく解説していますので、よかったらこちらの記事も参考にしてください。
この記事を読むだけで、腹筋について詳しく理解できるはずです。
腹筋には4種類ある
腹筋は腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の4層構造になっています。
一口に腹筋と言っても、それぞれの役割は変わってきます。
ただ、今回はアウターマッスルとインナーマッスルに分けて、覚えてもらいたいと思います。
アウターマッスルとは、外側(アウター)に位置している筋肉のことで、腹直筋と外腹斜筋、内腹斜筋のそれぞれがあります。
インナーマッスルとは、内側(インナー)に位置する筋肉のことで、腹横筋の事を指しています。
腹筋にもこれだけの種類があっただなんて知らなかった!
これだけの種類があるからこそ、
さまざまな動きや姿勢にも対応してくれているんだよ!
それぞれの腹筋に役割がある
アウターとインナーでは役割に大きな違いがあります。
アウターマッスルは力を発揮することに長けていて、関節を動かすことに大きく影響します。
例えば、腹直筋は身体をまっすぐ起き上がらせたり、外腹斜筋や内腹斜筋は身体のひねりの運動を生じさせたりします。
対して、インナーマッスルは縁の下の力持ちで、関節の運動が生じている奥の奥で、関節がぶれないように支えてくれています。
ここでいうと、腹横筋はお腹から腰あたりまで広く付着しているので、身体が前や後ろに倒れていても支えとして作用してくれています。
腹横筋が一番奥で支えの起点となってくれているので、他の腹直筋や外・内腹斜筋は安定して効率よく働くことができるのです。
インナーマッスルが強く働いてくれるからこそ、
アウターマッスルは余分な力を必要とせず、効率的に使えるんだね!
肩こり、腰痛の改善にも
腹筋を使う習慣が身に付くことで、姿勢を正して保てる様になり肩こりや腰痛を予防できます。
姿勢を正すことで肩こりや腰痛を予防できることの詳細については以下の記事を参照してください。
また、筋肉は外と内に限らず、表と裏の表裏一体となっています。
表の筋肉が働いている時は、裏の筋肉は働きを抑えておかないと、上手く運動を起こすことが出来ません。
例えば、腕を曲げようとしているのに、腕を伸ばす反対側の筋肉が働き続けていると、上手く腕が曲がらないということです。
これは全身どこにおいても同じことが言えます。
例えば、腰の筋肉が働き続けて、姿勢を保ってくれていると、反対側のお腹の筋肉は働きを抑制されかねません。
それが続くことで結果として、腰は頑張り続けてお腹は力が入りにくくなってしまうという事になります。
あくまで例えなので、ここまで単純なことはありませんが、逆にいうとお腹を使うということは反対側の腰(腰痛)を抑制できます。
結果として、姿勢を正して物理的な負担を減らせるばかりではなく、お腹を使う意識を持つだけで腰の筋肉の負担も減らすことが出来るということです。
筋肉は鍛えるものではなく使うもの
ここで、導入部分でお伝えした、鍛えるではなくて使うという事についてお話ししていきます。
私個人的には、筋肉とは日常生活上で動作を行うための関節を動かしたり、姿勢を保ったり、身体の機能を正常に保つ事に必要とされていると考えています。
もちろん、関節を動かすことだけが筋肉の役割ではありませんが、話が逸れてしまうのでここでは割愛しておきます。
つまりは日常的に腹筋を使えていないと、鍛えていてもあまり意味を成さないということです。
でも、結局は鍛えないと使えないんじゃないの?
そうだね。もちろん、鍛える事に意味は無いという事じゃないよ。
鍛えるのなら、日常で使う事を想定しなくちゃいけないんだ。
筋肉は100%を出せているわけではない
少し話が変わりますが、私たちの全身をまとっている筋肉は常に100%を発揮しているわけではありません。
これはいわゆる、脳が抑制しているからとか、そういう話だけではありません。
刺激の強度を上げると収縮する筋線維が増加するため筋張力は増大するが,生体内では興奮する前角細胞の数が増えることにより動員される運動単位の総数が増加する。
筋力増強の理論|津田英一
これは一つの筋肉にある筋線維を全部まとめて100%とした時、その中でも数十%しか働きに参加していないという事です。
筋肉は使い始めて4週間までの間は、筋肉の線維が大きくなって強くなっているのでは無く、働く線維が目覚めて増えているだけなのです。
つまり裏を返せば、普段から使わないと筋肉とその線維たちは眠りについて働きにくくなるという事です。
え!?筋トレをしたあと、数日後とかに力が付いたなぁとか思ってたけど、
あれは筋肉が強くなったわけじゃないの?
発揮する力が強くなる事には違いないよ!ただ、鍛えてすぐにはムキムキにならないでしょ?
筋肉の線維たちを起こして働かせる線維の数を増やしてるから、結果的に力を出しやすくなってるんだよ!
鍛える、ではなく使う意識を
これまででお伝えしたように、筋肉を使うようにするだけで、辛い筋トレをガッツリしなくても日常生活では十分に腹筋へ役割を与えられます。
ただ当たり前ですが、そのためには腹筋を使わなければいけません。
そして、普段から使われていない筋肉を使うということは、最初のうちこそ使う事を意識しなければいけません。
次からはいよいよ、腹筋を使うことの話をしていきます。
意識をしても、なかなか続かないんだよね…。
最初は特に意識をしないと続かないけど、
慣れてしまえば意識をしていなくても腹筋が勝手に働いてくれるようになるよ!
腹筋が使えるかチェックしよう
ここからは実際に腹筋を使っていく前に、ご自身で腹筋を使えるかのチェックをする方法をお伝えしていきます。
ここでは初級編として、インナーマッスルである腹横筋を使うことを中心に話していきます。
慣れてきたら、その後の上級編としてアウターマッスルの腹直筋の使い方も行ってみてください。
外腹斜筋や内腹斜筋を使う方法は、また改めて記事にしていきたいと考えています。
寝てチェック
普段、腹筋を使い慣れていない方は、寝転んでチェックをしてみてください。
動きのイメージがつきやすくなると思います。
①仰向けで寝転んで両方の膝を90度程度に曲げて立てます
②両手をお腹の上(おへその横あたり)に当てます
③ゆっくり息を吸いながらお腹を膨らませます
④吸い切ったら、今後はお腹をへこませながらゆっくり息を吐いていきます
③、④を繰り返して、この時にお腹がしっかり膨らんだり、へこんだりしているかを確認してください。
これは腹横筋などのインナーマッスルがよく働いてくれています。
【上級者編】
上記と同様の順番でチェックを行いますが、③でお腹をへこませるとき、さらに下っ腹を引き寄せる様に意識してみます。
イメージは腰で地面を押し付ける様な動きです。
この動きはとても重要なので、出来る方はぜひ習慣にできるように繰り返してください。
こうすることで、腹直筋が働きやすくなります。
注意点としては、お尻や太ももには力を入れません。あくまでも下っ腹に力を意識してください。
立ってチェック
続いては立ったままでチェックしていきます。
寝てチェックをする時よりも難しくなると思いますので、あくまで立って使えているかのチェックとして確かめてみてください。
①脚は肩幅に開いて、顔とつま先は正面に向けます
②背筋は伸ばしますが、肩や腰などの力は抜いて立ってください
③両足に均等に体重をかけます
④両手をお腹(おへその横あたり)に当てます
⑤ゆっくり息を吸いながらお腹を膨らませます
⑥吸い切ったら、今後はお腹をへこませながらゆっくり息を吐いていきます
やはり、⑤、⑥を繰り返している時にしっかりお腹が膨らんだり、へこんだりしているかを確認してください。
基本的には⑤~⑥の様なお腹の動きをする流れは寝て行う時と一緒です。
ただし、立って実施するときの方が姿勢は崩れやすいため、猫背や反り腰にならない様に注意することも大切です。
【上級者編】
寝て行う時と同様です。
上記と同様の順番でチェックを行いますが、⑤でお腹をへこませるとき、さらに下っ腹を引き寄せる様に意識してみます。
出来ることなら、下っ腹に力が入っていることを触って確かめられるとなお良いでしょう!
この時も注意点として、膝が曲がったり猫背になったりと姿勢が悪くならないようにしてください。
筋肉に力が入っているかを意識して
このチェックの時、お腹に手を当てています。
これは腹筋に力が入っているかを触って確かめるためです。
大事なことはイメージです。
今、自分自身のどこに力が入っていて、どの様に身体が動いているのかを感じ取ってください。
繰り返すうちに、手で触らなくても腹筋が収縮している、力が入っているという感覚がわかるようになってくると思います。
最初のうちは難しいと思いますが、意識をして繰り返してみましょう。
立ってできる腹筋の使い方
今度は実際に腹筋を意識して使っていきましょう。
チェックしていただいた時も難易度ごとに分けて説明しました。
実際に腹筋を使い慣れるまでは、次のstepに分けて、順番に慣れていくことをお勧めします。
なお、チェックした段階で立ってでも腹筋を使えた方は、❷以降から実施してください。
立ったままだと、お腹に力を入れにくかったよ。
うまく使えていないってことだね…。
立っていると、姿勢も身体の動きも自由に加わってくるから難しいんだよ。
寝ながら使っていって、慣れてくることですぐに出来るようになるよ!
❶ 仰向け寝でスタート
寝て行ったチェックの際と同じ様に仰向けになって実施していきます。
① 仰向けで寝転んで両方の膝を90度程度に曲げて立てます
② 両手をお腹の上(おへその横あたり)に当てます
③ ゆっくり息を吸いながらお腹を膨らませます
④ 吸い切ったら、今後はお腹をへこませながらゆっくり息を吐いていきます
⑤ お腹をへこませたまま5秒間キープします
⑥ ③~⑤を繰り返す
【中級者編】
①~④を実施します。
⑤ お腹をへこませたまま、通常の呼吸をします
慣れていないうちは、お腹をへこませたまま呼吸をすることは難しいかもしれません。
しかし、繰り返していくうちに徐々にお腹をへこませたままでも普通に呼吸できる様になってきます。
苦しく無いように、無理なく実施してください。
お腹をへこませたまま普通に呼吸しろって?
そんなの無理だよ!
大丈夫!キープすることに慣れてくると、お腹に力が入る様になってきている証拠だから、
続けるうちにそのまま呼吸をすることも難しくなくなってくるよ!
❷ 意識できたら立って壁に背を向けて
寝転んで実施することに慣れてきたら、今度は立って行いましょう。
これも腹筋チェックをしたときの立ち方と同じです。
① 壁に背中をつける様にして立ちます
② 脚は肩幅に開いて、つま先は正面を向けます
③ 背筋は伸ばしますが、肩や腰などの力は抜きます
④ 両足に均等に体重をかけます
⑤ 両手をお腹(おへその横あたり)に当てます
⑥ ゆっくり息を吸いながらお腹を膨らませます
⑦ 吸い切ったら、今後はお腹をへこませながらゆっくり息を吐いていきます
⑧ お腹をへこませたまま、5秒間キープします
立ったまま実施していますが、壁を背にして実施することで姿勢の崩れは抑えられて、かつ身体の動きがイメージしやすいと思います。
出来る方は最初から壁も使用する必要はありません。
また、立ってこれらが苦もなく出来たら、中級者編として⑧のお腹を5秒キープから、お腹をへこませたまま通常の呼吸をする様にしてください。
ここまで出来る様になると、もはや場所も時間も問われることもなく腹筋を使うことができたも同然です。
❸ 慣れたら、骨盤も意識して
さらに上級者編として、意識をしてほしいことがあります。
腹筋チェックの時に、下っ腹を引き寄せた上で力を入れることをチェックしました。
これも同様です。
立っていても、寝ていても下っ腹を手前に引き寄せるイメージで力を入れます。
これによってアウターマッスルである腹直筋にも力が入る様になります。
また、この動きにおいて骨盤の動きを意識してください。
下っ腹に力を入れる際に図のように骨盤が後ろに倒れることをイメージします。
この動きによって腰にも動きが加わる様になり、さらに腰痛予防にもつながります。
ちなみに、この骨盤の動きに慣れていると、
「下っ腹のぽっこりお腹」や「反り腰」の解消にもなるよ!
最後に
これまで、腹筋を使うことの大切さとその使い方について説明してきました。
この腹筋はドローインと呼ばれる方法から少し応用をしたものになります。
ドローインとは腹横筋を鍛えるトレーニングのことです。
この記事ではお腹をへこませたままで呼吸をすることを説明しました。これがドローインです。
ドローインでインナーマッスルを強化して、さらに腹直筋にも力を加えることでアウターマッスルも合わせて強化することができます。
序盤で話したように、インナーマッスルが強化されることで関節の支えの起点ができるので、アウターマッスルも効率よく力を発揮することができます。
日常的に使うことを意識して
あえて「鍛える」ではなくて「使う」ことに執着して話してきました。
これは、腹筋を使うことをトレーニングとして考えるのではなくて、日常的に使えていてほしいという私自身の勝手な願いもこもっています。
慣れるまでは使うことに意識をしなければいけませんし、トレーニングとして取り組む必要もあるでしょう。
しかし重ねてにはなりますが、筋肉とは鍛えるものではなく日常において使うものです。
ぜひ、日常で使い続けることで、「トレーニングとして」ではなく日頃の生活で使いこなしてください。
慣れると意識せずとも勝手に使っている
筋肉とは使うものとこれまで何度もお伝えしてきました。
また、筋肉とは使うことによって力を発揮する線維たちの動員数を増やすともお伝えしました。
つまり、使うことに慣れてさえしまえば、余分な労力や努力を必要としないということです。
さらに言うと、姿勢を保ったり動作を行うときに腹筋を使う習慣がつくので、「腹筋を使う」ことを意識する必要がなくなってきます。
日常的に使うことで、腹筋は衰えることなく力を発揮され続けると言うことです。
この良循環が出来上がることで、腹筋は勝手に強化され続けます。
日ごろから使っていたら、
生活の何気ない動作が腹筋運動になっているということなんだね!
なおかつ、一度でも使うことに慣れてしまうと、
今までの悪い姿勢になる方が違和感を感じるから、
自分で良い姿勢に勝手に直すようになるんだよ!
何にでも応用が効く
最後に、今回のこの腹筋の使い方はどんな姿勢のどんな場面においても応用することができます。
例えば
・列に並んでいたり、待ち時間であるちょっと空いた時間で立ちながら行える
・電車やバスに揺られながらも意識して使うことができる
・車の運転中にちょっと姿勢を正して行うことができる
・寝る前や朝起きた時に少し意識して使うことが出来る
・皿洗いや調理などの家事の途中で少し意識してみる
・歩きながら常にお腹に力を入れてみる
など、あげればキリがありません。
最初は意識をして使う必要はあります。
しかし、これが習慣化することでこれらの動作を行うことが、無意識であっても腹筋を強化する動作となります。
ぜひ、腹筋を使うことを自分の生活の中に組み込んであげてください。
これが出来る様になった時には、今よりとても大きなメリットを享受することができていることでしょう。
今後は、腹筋が強くなった後のメリットや更なる応用、生活での活かし方などを記事にしたいと思っています。
それらも読んでいただけることで、いかに腹筋が私たちの生活にとって重要であるかがわかっていただけることでしょう。
以上になります。最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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